みんなの音楽広場@新宿区立障害者福祉センター Vol.2

文:田中莉紅さん

「やりたい!」を実現する、地域のピアノサロンへ

どなたでも参加可能な音楽サロンです。 老若男女、障がいの有無、ジェンダー等を問わず音楽を通してそこに居る全ての人の居場所になれるような空間、そして誰にも壁の存在しない、みんなが自分らしさを発揮出来るピアノサロンを目指しています。
そのため、演奏者が一方的に演奏するのではなく、楽器を使って一緒に演奏を行ったり、来て下さった方々とコミュニケーションを取りながら曲目や曲順なども決めていきます。

前回のレポート

当日の写真
当日の写真

◆ みんなの音楽広場 ピアノ・サロン
日程:第2・4火曜日の月に2回開催 16:00-17:00
会場:新宿区立障害者福祉センター
主催:田中莉紅さん(ピティナ練馬光が丘ステーションスタッフ)
協力:新宿区立障害者福祉センター

活動を始め一年以上が経ちました。
センター職員の方々にはいつも本当にお世話になっております。ピアノサロンの宣伝や会場設営、進行中のサポート等、職員さん方のお力あっての活動です。

ピアノサロンに来て下さる方は、有難いことにセンター利用者さん以外にも、地元の高齢の方々や、なかなか学校に通えない不登校のお子さん、障がい児など、皆様の口コミ等により幅広くなってまいりました。

そして、始めた頃から大切にしていた、一人ひとりの小さな自己実現、皆さんの「やりたい!」の声が徐々に実現されるようになってきました。

まずは、毎回恒例になっている『みんなで手話ソング』です。自主的に障がい当事者の約5人が主メンバーとなり、ピアノサロンに向けて選曲や日々の練習、歌詞を書いた模造紙等を用意して下さります。皆さん緊張されながらも、日々の練習の成果を披露してくださり、いつも温かい拍手に包まれます。

手話ソングを先駆けとし、歌やピアノ、ダンス等を障がい当事者の方々が自らピアノサロンで披露して下さるようになりました。

人前で披露する一歩を踏み出すことは本当に勇気のいることだと思います。緊張しながらも安心して自分の「やりたい」を発表できる空間にピアノサロンがなっていることは私自身にとっても、とても嬉しいことです。

また、これまでにゲストさんとして友人や先輩、後輩、高校時代お世話になっていた先生、センター利用者の親御さんの皆様、お笑い芸人の方など、楽器やジャンルを問わず約30名ほどお迎えしました。ゲストの皆様からは、
「温かい空間で演奏していて幸せな気持ちになれた」や、「障がいのある方が勇気をだして発表している姿を見て自分も頑張らないと!と思った」などのお言葉をいただきます。

私自身も、ピアノサロンに来て下さる皆様と音楽の時間を共有し、共感し合える時にとても幸せを感じます。

皆様が楽しい気持ちで過ごせるひと時になりますよう、これからも楽しく頑張って活動を継続していきたいと思っております。

施設職員さんからのコメント

ピアノサロンは、障害種別に関わらず身体の障害を持つ方、知的、精神の障害を持つ方など、さまざまな方々の楽しみの場所になっています。障害を持つ方々は仕事の後まっすぐ家に帰る方が多いのですが本当は友達と飲みに行ったり遊びに行ったり楽しいことをしたい人も沢山います。しかしなかなか仲間とどこかに行くことが難しい方も多くそのような方々にとってピアノサロンは「また明日から仕事を頑張ろう!」と思える憩いの場所となっていると思います。これからも楽しい場所を一緒に作っていきたいと思っています。

主催・文:田中 莉紅さん(練馬光が丘ステーションスタッフ)
顔写真

みんなの音楽広場"ピアノ・サロン"はそこにいる全ての人が尊重され、共に音楽のある空間を自然体で楽しむことができることを目指しております。私自身、沢山の方々に支えられ、音楽を通して人と繋がれる喜びを改めて感じさせていただいています。まだまだ始まったばかりの"ピアノ・サロン"です。皆様の心安らげるひとつの居場所になれば、と一音一音に心を込めて演奏致します。

  • 今まで第2・4火曜日の月に2回開催でしたが、来年度が始まるまでは、私の都合により第2火曜日の開催となります。
あなたの街でも ひらけ、ピアノ!

ピティナ会員や支部・ステーションが展開する「ピアノをもっと世の中にひらいていく」企画を公募します。地域で企画を展開している・これから展開を考えている方、その輪を繋いで「一緒にみんなで、ピアノでわくわくしたい!」という方は、ぜひ下記のフォームから企画の詳細をお知らせください。

ご申告いただいた企画の内容を個別におうかがいし、OPEN PIANO PROJECTにふさわしい企画は、ピティナで広報をお手伝いさせていただきます。