丸の内ミュージックフェス エリアコンサート

2022年度、ピティナで新たなプロジェクトが始動しました。
その名も「 OPEN PIANO PROJECT(オープンピアノプロジェクト) 」。
学校・病院・保育園・公園などパブリックスペースでの音楽イベントや、アートのジャンルを超えた音楽の探求、新しい音楽教育のかたちの提案…そんな「ピアノをもっと世の中にひらいていく」企画を会員・支部・ステーションと協力しながら全国展開し、ピアノの魅力をより多くの人に届け、可能性をさらに広げていくことを目指すプロジェクトです。

第二弾として、4月27日(水)~5月5日(水・祝)、「丸の内ミュージックフェス エリアコンサート」が開催されました。

当日の様子
◆丸の内ミュージックフェス エリアコンサート
開催日程:2022年4月27日(水)~5月5日(水・祝)
会場:丸ビル1階 マルキューブ、新丸ビル3階 アトリウム、丸の内オアゾ1階 ○○広場、東京ビルTOKIA1階 ガレリア、TOKYO TORCH Park、丸の内仲通り(丸の内方向・国際ビル前)、丸の内ブリックスクエア 一号館広場
主催:三菱地所株式会社
制作:東音企画/一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)Open Piano Project、日墺文化協会、東京藝術大学、NPO法人 街角に音楽を
楽器協力:株式会社河合楽器製作所

街中で無料のコンサートが多数催される、まさに「Open」な音楽祭「丸ノ内ミュージックフェス エリアコンサート」が丸の内で開催されました。この音楽祭は「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 「熱狂の日」音楽祭」の周辺企画として2005年より始まり、街中音楽イベントとして開催を続けてきました。

丸の内エリアでは長年、街の文化力を高め、その力で社会を元気にする活動が行われてきました。歴史的建造物や美術館、そしてGWの風物詩ともなった音楽祭、そうした文化とともに歩む街づくりは、他の多くの見本となり広まりました。

しかし2020年、「ラ・フォル・ジュルネ」は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、開催を中止。「丸の内エリアコンサート」も2020年は演奏者の自宅からの配信、2021年は無観客の丸ビルからのライブ配信と、2年続けてのオンライン企画として皆様に音楽を届けてきました。

2020年の様子
2021年の様子
2020年、2021年の丸の内エリアコンサートの様子

そして2022年、2年ぶりにGWでにぎわう丸の内で「丸の内ミュージックフェス エリアコンサート」が開催が決定。
三菱地所株式会社主催の音楽祭として、丸ビル、TOKIAなどの商業施設にShigeru Kawaiのグランドピアノが搬入され、TOKYO TORCH Park、丸の内仲通りなど野外の街中にもステージが登場。GWの丸の内全体が「音楽祭」の舞台となりました。

当日の様子
当日の様子

各ステージでは、感染症対策に配慮しながら、観客の子どもたちとの"共演"機会も設けられました。木管五重奏の指揮をしたり、1本指連弾をしたり、憧れのピアニストに直接質問をしたり。事前に応募いただいた子どもたちがピアノ演奏をするKIDSステージもありました。

当日の様子
当日の様子

プロの演奏家たちによるステージは圧巻。吹き抜けの高い天井の会場では、まるでヨーロッパの教会のような響きの中、丸の内を訪れた方々が足を止め、思い思いの場所で演奏を楽しむ姿が見られました。開かれ、誰もが出入りできる会場ではありましたが、音楽の周りに集まる方々は真摯に演奏に聴き入り、その場所だけがコンサートホールのような静寂に包まれている光景も印象的でした。

当日の様子
当日の様子
当日の様子
当日の様子

今年初めての会場となったのは「Tokyo Torch Park」。360度を取り囲むことのできるステージでは、子どもたちの演奏のほか、フルートや木管五重奏などの管楽器の演奏や、トイピアノや鍵盤ハーモニカなどの子どもたちにとって身近な楽器のアンサンブルで彩られました。またYouTubeで活躍する若手ピアニストなど多彩な出演者が登場しました。

当日の様子
当日の様子

当日会場にはお越しいただけない方のために、4/29、5/3にはYouTubeライブも開催。人気ピアノYouTuberよみぃさんの出演時には「丸の内ドットコムチャンネル」で1,700名以上の方が演奏にオンラインから声援を送ってくださいました。ライブ配信以外の公演もアーカイブ動画が次々公開となり、すべての方に開かれた音楽祭となりました。

当日の様子
当日の様子

丸の内は「ストリートピアノ」が現在のように身近なものになる前からオープンスペースによるプロピアニストの無料演奏会が開催されてきた、まさに「Open」が始まった場所。音楽を通じてのつながりと広がりが楽しみな街です。

当日の様子
黒田亜樹さん(ピアニスト)
顔写真

2000年以降、丸の内の再開発がみるみる進み、2007年には新丸ビルが開館しました。東京の新たな名所は全国的にも大きなニュースとなり、各地から観光客もひっきりなしの人気スポットとなりました。その丸ビルの35階、吹き抜けのロビーにピアノを置き、行き交う人々に生演奏をお届けしよう、という「丸ビル35コンサート」をPTNAが制作することとなり、私は初代のコーディネーターを務めさせて頂きました。当時はコンサートはクラシック専用ホール、ライブはライブハウス、という固定観念がほとんどでしたから、人々が往来する状況の中で臆せず弾いてくれそうなピアニスト、しかも演奏が魅力的で思わず足を止めたくなるようなメンバーを日替わりで探すのは簡単ではありませんでした。機転の効く新進気鋭のピアニストをオーディションや推薦により集め、お客さまが静かに休まれる雰囲気の時は癒しの音楽を、お客さまが大勢ピアノを取り囲むように聴いているときは、手拍子や拍手が湧くような演目を、など、チームのように知恵を出し合い、コンサートの雰囲気を作っていきました。ピアニストたちの魅力万歳の演奏のおかげで、あっという間に熱心なファンや遠方から駆けつける方々で賑わい、演奏前からみなさんがこぞってピアノのそば陣取る、名物コンサートになりました。
あれから十数年、今や丸の内はすっかり音楽とピアノの名所となりました。この先ピアノと共に丸の内が更にどんな進化を遂げるのか、楽しみでなりません。

伊賀あゆみさん(ピアニスト)
顔写真

2007年より丸ビル、2008年より新丸ビルでのアトリウムコンサートに出演、およびコーディネートを務めさせて頂きましたが、丸ビル35階や新丸ビル3階のフロアは響きも心地よく、コンサートホール以外で演奏する経験はとても刺激的でした。行き交う人々の反応も感じながら演奏やトークをする中で、表現者としてのスキルも磨かれたように思います。無料で本格的なクラシックが聴けるとのことで、定期的に行われる様々なピアニストの演奏を楽しまれる熱心なファンの方々にも支えて頂きました。音楽を通じて皆で心を通わせることができる時間は、他には味わうことができない特別な時間です。 ラ・フォル・ジュルネ・エリアコンサートや丸の内音楽祭にもたくさんの方がいらっしゃいますが、普段コンサートには出かけない方も気軽に来られるのは、オープンな会場ならではだと思います。ちなみに私はこれまでに、ソロだけでなく、コンチェルトや連弾、歌曲や室内楽、バレエとのコラボなど様々な編成で演奏させて頂きました! 音楽祭が行われるたびに、音楽に溢れた街ってなんて素敵なんだろう♪と胸が踊ります。これからもピアノでみんなが笑顔になれますように!

あなたの街でも ひらけ、ピアノ!

ピティナ会員や支部・ステーションが展開する「ピアノをもっと世の中にひらいていく」企画を公募します。地域で企画を展開している・これから展開を考えている方、その輪を繋いで「一緒にみんなで、ピアノでわくわくしたい!」という方は、ぜひ下記のフォームから企画の詳細をお知らせください。

ご申告いただいた企画の内容を個別におうかがいし、OPEN PIANO PROJECTにふさわしい企画は、ピティナで広報をお手伝いさせていただきます。